微細加工棟
当社の目指す「微細加工」とは、高度技能者による、高精度工作機械を用いた、μm(マイクロメートル)レベルの精度を狙ったものです。当社の主要マーケットである電子デバイス業界からの加工部品の高精度化ニーズにお応えしていくと共に、医療機器・航空宇宙機器業界といった分野への展開を考えています。
微細加工棟・全景
微細加工棟は、次の3つの観点からμm(マイクロメートル)レベルの高精度加工実現を強くアシストします。
μmレベル以下の微細加工には徹底した振動管理が不可欠です。
・加工材料を理想的な姿勢に調整し、仕上がり寸法を部品の設計値に限りなく近づける
・工具の折損を抑える事でより小径な回転工具が使用可能になる
・振動によるわずかな面荒れを抑制し、高品質な面仕上げを実現する
これらの観点から微細加工棟建設にあたり強固な地盤工事を行いました。棟内の管理区域では深さ12メートルの床スラブ構造を採用し、隣り合う機械の振動や自然振動を最小限に抑えています。この工法を採用した建造物は大地震でも被害が少ないことが確認されており、震災の教訓を踏まえた安全性の高い建屋となっています。
地盤工事の様子
テノコラム工法による地盤改良の模式図
16台のエアコンが常時稼働し、室温を24時間管理しています。外気はそのまま取り込まず、温度調整した空気を再度エアコンを介して循環させる仕組みです。30個の無線通信型温度センサーを各所に配置して加工に最適な温度管理を行うために活用しています。また、微細加工棟を出入りする人数を制限する事で通路の開閉による温度変化も最小限に抑えています。
エアコンでの集中管理
工場内の温度管理分布モニター
μmレベルの高精度加工が要求される部品の仕様は、お客様にとっての重要な技術情報にあたり、相応のセキュリティ管理が求められます。微細加工棟では、顔認証を用いた入室管理を行っており、当社従業員でも関係者以外の入室を制限しています。
お客様の工場見学の場合でも、諸般の事情により見学をお断りする場合がございます。何卒ご了承ください。
顔認証での入室管理
μmレベルの加工を実現する高精度工作機械を導入しています。
微細加工棟の設備を一部ご紹介致します。
アマダマシナリー プロファイル研削加工機
CCDカメラを搭載し微細な輪郭を捉えて加工が可能。また、よりシームレスで滑らかな加工面ができます。
スチューダー 外径研削加工機
機械剛性が高く設計された研削加工機です。負荷の高い研削に強く、厳しい寸法公差に対応し幾何公差の保証にも優れます。
シギヤ精機 外径研削加工機
外径寸法φ20~φ50の範囲の加工精度に優れた設備で、弊社の従来の加工より高精度での仕上がりが期待できます。